AutoCADブログ「今週のヒント」シリーズでは、英語版AutoCADブログで好評だったヒント集を日本語でお届けします。

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HATCH[ハッチング]コマンドは、領域をパターンや単一色で塗り潰すための AutoCAD の主要なツールとして、長年にわたって使用されてきました。実際、HATCH[ハッチング]は、これまでの長い間に最も進化してきたコマンドのひとつと言えるでしょう。


以前のバージョンから複数のリリースにわたり、特に AutoCAD 2025 以降、AutoCAD チームは主に 3 つの領域、ワークフロー、パフォーマンス、信頼性の改善に取り組んできました。最近のアップデートによって、ハッチングの作成と管理がより柔軟になり、負荷の高い図面ではより高速に、実際の業務で使用されるさまざまなファイルではより安定して動作するようになっています。

大規模で密度の高い図面や外部参照を多く含む図面ではパフォーマンスが異なる場合があり、図面固有の特殊なケースも残っています。それでも、これまでに提供された変更によって、よくある問題が改善され、より分かりやすく予測しやすい結果が得られるようになりました。

それでは、この 3 つのカテゴリについて詳しく見ていきましょう。


ワークフローの改善

日常的な使用における最も大きな変化は、ハッチングの作成を開始する方法です。

AutoCAD 2025 から、新しい作成ワークフローを使用して、領域、パス、または形状からハッチングや塗り潰しを作成できるようになりました。すべての場合で、あらかじめ閉じた境界ジオメトリを作成しておく必要はありません。これにより準備にかかる時間を短縮でき、従来の境界選択では扱いにくい場合や時間がかかる場合にも、別の方法を利用できます。


専用の[パス]オプションが追加され、既存のパスに沿ってハッチングを作成できるようになりました。対話的な選択操作も、より一貫した動作になっています。同じ領域を繰り返しクリックした場合でも、無駄な処理や混乱を招くことなく処理されます。また、コマンドの途中でキャンセルした場合には、不要な処理をバックグラウンドで完了するのを待つことなく、より早く AutoCAD の操作に戻れるようになりました。

AutoCAD 2025.1 では、さらに使いやすさが改善されました。プロンプトがより分かりやすくなり、特定の境界定義に関するエラー メッセージが改善されたほか、リボン/UI での動作とコマンド ラインでの動作の整合性も向上しています。

これらの変更により、ハッチングの作成がより柔軟になり、従来ほど制約を感じることなく操作できるようになりました。


パフォーマンスの向上

パフォーマンスについては、特に大規模または複雑な図面を対象に、内部の境界処理エンジンが改善されています。多数のジオメトリから境界を検出する処理が改善され、オブジェクトをより効率的に整理して検索できるようになりました。これにより、境界の候補となる要素が多数存在する場合でも、より効率的に処理できます。


境界の選択やトレースの処理も最適化され、領域の識別や閉じたループのトレースにかかる時間が短縮されています。境界処理全体の流れも、実際の業務で想定されるケースに合わせて効率化され、不要な処理が削減されました。

従来の処理方式についても再試行のロジックが効率化され、[点をクリック]から開始する際に、重複した処理や負荷の高い再試行を避けられるようになりました。その結果、処理時間をより予測しやすくなっています。

外部参照を多く含む図面についても、特に改善が行われています。アタッチされた図面を含む場合のハッチングや境界トレースでは、以前のワークフローで発生することがあった長い待ち時間の一部が解消されています。大きなファイル、複雑な境界、外部参照を使用している場合、多くの一般的な場面で応答性の向上を実感できるでしょう。


信頼性と安定性

安定性については、クラッシュ、ハングアップ(操作を受け付けなくなる問題)、一貫しない結果の改善に重点が置かれています。AutoCAD 2026.1 では、空の境界や内側の閉じた境界を含む図面でハッチングを作成した際に発生することがあったクラッシュが修正されました。また、特定の外部参照ワークフローで発生していたハングアップも改善され、コマンドの応答性が維持されるようになっています。


従来のハッチング処理についても、影響の大きな状況でクラッシュやハングアップが発生する頻度を抑えるため、さらに強化されています。AutoCAD 2025.1 では境界処理の信頼性も向上し、境界定義に関する問題への対応、一部の AEC 関連のケースにおけるより分かりやすいエラー表示、閉じたパスのより一貫した処理などが改善されました。


表示やレポートに関する問題も修正されています。これには、表示順序、カスタム ハッチングの表示、ハッチングの原点設定などが含まれます。

さらに以前を振り返ると、2015 から 2024 にかけて、小さな隙間、不連続な線種、全般的な安定性に関する基礎的な改善も行われてきました。こうした以前の変更が、その後の改善を支える基盤となっています。


ハッチング全体の改善

こうしたアップデートや改善の多くは、バックグラウンドで行われています。UI や作成オプションの一部を除けば、これらの重要な変更の多くは、ユーザ エクスペリエンスをより良くするために機能します。


これらのアップデートは、ハッチングの作成をより柔軟にし、大規模または複雑な図面での応答性を改善し、問題が発生する頻度を減らすことを目的としています。

一般的な操作での無駄なクリックや待ち時間が減り、より幅広い図面で信頼性が向上していることを実感できるでしょう。


今週のヒント集は以上です。

今回ご紹介した内容も、日々の AutoCAD 作業をよりスムーズに進めるための参考として、ぜひご活用ください!