ツールバーを使うメリットカスタマイズの基本3として、今回はツールバーのカスタマイズをご説明します。最近のAutoCADでは初期状態ではツールバーが表示されなくなりました。沢山のAutoCADコマンドを体系的に且つ作図エリアを犠牲せずに表示するという考えなのだと思います。リボンやツールパレットもコマンドを実行するという意味では機能が同じですが、リボンは画面上部、ツールパレットは左もしくは右側と配置できる位置が決まっています。それに対しツールバーは画面の上下左右に配置でき、且つタブ等が無い為に小さな面積でコマンドボタンを表示できます。私は以前から選択モードを切り替える等のカスタムコマンドを配置したツールバーをオブジェクトスナップのツールバーと同じ画面下に配置して使っています。画像は2018バージョンの頃私の画面の一部です。 作図スペースを犠牲にせず利用頻度の高いコマンドを配置させたい場合にはツールバーが使い勝手が良いと私は思っています。 ツールバー作成の手順ツールバーのカスタマイズもリボン同様にカスタマイズエディタを使って行います。リボン同様に変更内容はCUIXファイルに保存されますので、カスタマイズ前にバックアップしましょう。バックアップ方法はカスタマイズの基本1_リボン前編で触れていますので、手順が不明な方はそちらも参照下さい。参照:カスタマイズの基本1_リボン(前編)バックアップが取れたら、カスタマイズエディタを表示しましょう。管理タブ|カスタマイズ|ユーザーインタフェースをクリックします。 カスタマイズエディタが表示されたら、左上の[すべてのカスタマイズファイル]ウィンドウでリボンの下にある[ツールバー]の左側の+マークをクリックして展開します。 初期状態では殆ど表示されていませんが、定義されているツールバーのツリーが表示されます。先ずは新しいツールバーを作ってコマンドを配置してみましょう。[ツールバー]を右クリックして、メニューから[新規ツールバーを作成]を選択します。 するとツリーの一番下に、新しいツールバーが作られるので適当な名前を付けます。ここでは「ユーザー1」としています。 コマンドボタンの配置ツールバーが作成できたら、コマンドボタンを配置します。手順はパネルにコマンドを定義するのと同様です。ダイアログ左下のコマンド一覧から配置したいコマンドをドラッグ&ドロップもしくは。コピーして貼り付けします。 上記の手順でパネルへのカスタマイズと同様の手順でコマンドボタンが配置できます。コマンドボタンが配置できたら、適用ボタン、OKボタンを順に押してツールバーが表示されるか確認しましょう。 ツールバーが表示されないとき右上の☓ボタンを使って閉じてしまうと、その後ツールバーに変更を加えても表示されなくなってしまいます。この場合にはコマンドラインから、-toolbarと入力し表示させたいツールバーの名称を入力します。もしくは、[クイックアクセスツールバー]から[メニューバー]を表示させ、ツール(T)|ツールバー|AutoCADを選択し、表示させるツールバーを選択します。 フライアウトの配置次にフライアウトをツールバーに配置してみましょう。フライアウトとはリボンパネルのドロップダウンと良く似ています。フライアウトを作成するにはツールバーを右クリックし、メニューから[フライアウトを新規作成]を選択します。 すると対象のツールバーの下に新たにツールバーが作られますので適当な名前を付けます。ここでは「フライアウト1」とします。 フライアウトが作成できたら、フライアウトにまとめたいコマンドを、[コマンド一覧]から配置します。ここでは例として円コマンドを幾つかドラッグ&ドロップで配置します。 配置が出来たら、[適用]ボタン、[OK]ボタンを押してカスタマイズエディタを閉じます。フライアウトが作成され、フライアウトのボタンをクリックしたままにすると、フライアウトに追加したコマンドが確認できます。 まとめ利用頻度の高いコマンドをツールバーに配置するのがお薦めです。リボン等との位置関係を見ながら空きスペースに配置しましょう。カスタマイズ方法はリボンパネルにコマンドを配置するのとほぼ同様です。ツールバーが表示されないときには、-toolbarコマンドを使いましょう。フライアウトを使って幾つかのコマンドをまとめる事も可能です。クイックアクセスツールバーにも同じ操作でコマンド追加が可能です。 著者についてAUG-JPはAutodesk製品のユーザーで構成された独立したコミュニティです。 ユーザ同士の助け合いの場として、ウェブサイト、コミュニティ(SNS)などを運営しています。 多くの企業様にご協力を頂きながら全国各地でユーザ参加型の「学びと交流」を目的としたイベント 「AUG-JP WorkShop」を開催したり勉強会をサポートしています。Twitterでフォローする ウェブサイトを見る このライターによる他のコンテンツ