内容の概要AutoCADで3Dモデルを作成するには、2D作図とは異なる設定や機能が必要です。第5回目は、3Dモデルの作成で使用するオブジェクトスナップについて紹介します。詳細XYZフィルタ赤いソリッドを、青いソリッドのZ座標に位置合わせしたい場合、どのように行いますか?オブジェクトスナップのXYZフィルタを使用すると、XY座標をそのままの位置で、Z座標のみ移動することが可能です。(1) 「移動(MOVE)」コマンドを実行し、赤いソリッドを選択します。(2) 基点として、(A)点をクリックして選択します。(3) 目的点はオブジェクトスナップのXYZフィルタを使用します。「Shift」キーを押しながら右クリックし、メニューから「XYZフィルタ」→「.XY」を選択します。(4) 「仮想値を入力」と表示されます。ここではXYの座標を指定するので、基点と同じ(A)点をクリックします。(6) 「(Z値を入力)」と表示されます。Z座標の位置合わせをする(B)点をクリックします。目的点が設定され、赤いソリッドが移動できました。 3Dオブジェクトスナップ3Dオブジェクトスナップを使用すると、面の中心点や面への垂直点を参照することが可能です。たとえば、円柱のソリッドの下の面を、直方体のソリッド上の面に合わせたい場合、3Dオブジェクトスナップの「垂線」を使用します。ただし、XY座標も移動してしまうので、あくまで面の位置合わせに使用してください。(1) 「移動(MOVE)」コマンドを実行し、円柱のソリッドを選択します。(2) 基点として、円柱の下面の中心点である(A)点をクリックして選択します。(3) 目的点は3Dオブジェクトスナップを使用します。「Shift」キーを押しながら右クリックし、メニューから「3Dオブジェクトスナップ」→「垂線」を選択します。(4) 直方体の面をクリックして選択します。この時、3Dオブジェクトスナップのマーカーを確認してください。アイソメビューなどでは面の選択が困難である場合が多いので、正面ビューなどで面を選択すると容易にマーカーが表示されます。目的点が設定され、円柱のソリッドが移動できました。 まとめ移動やコピーするために、オブジェクトスナップは重要な役目を果たします。3Dモデルでは、Z座標が加わるので、意図した位置を目的点として取得するにはちょっとしたコツが必要です。XYZフィルタと3Dオブジェクトスナップを、ぜひ覚えておいてください。著者について初心者にはわかりやすく指導し、上級者には1ランク上の使いこなし方を教えるインストラクターとして活動中。元は土木設計事務所のCADオペレーターでAutoCAD暦は20年。著書に「AutoCADLTできちんと土木図面をかく方法」「基礎からしっかり身につくAutoCAD LT入門」「これからCIMをはじめる人のためのAutoCAD Civil 3D 入門」などがある。ウェブサイトを見る このライターによる他のコンテンツ